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February 17, 2007

プログラマの労働価値は、そのソースコードのクオリティでも、書いた行数の長さでもなくて、成果物がもたらす価値によってのみ決まる。

いくらエレガントなコードを書いたところで、それが1円も生まなければ・・・金銭だけじゃなくブランド価値なども含めて・・・・ビジネス的に価値は全くない。つまり本来は報酬の対象にならない。

受託業務の場合は、受発注する側が成果報酬などのリスクを取らないのであれば利益を先に確定したいのは受託する側も受託に出す側も共通したリスク回避の切り分け手段なので、そこを重視するが故に、不確定な見積もりだけに売り上げを依存させましょう、というトレードオフがあるに過ぎないんじゃないだろうか。

つまりお互い幸せになるための手段が、事前見積もりでいつまでに納品しますよ、という契約をしてしまうこと。
この一番大事なステージを、うまくやれる会社か否かか、という違いが受託ですげー苦労するかそうでもないかの違い。

アジャイルはソフトウエア開発の現場といいうボトムアップの方向から、このリスクヘッジに驚異を与える破壊的概念、とも言える。だから、これを経営方針に昇華させていないなら、リスクという面で経営側からすると必ずしもウエルカムな考え方ではないと思う。

(リスクを取って見積もり以上に、ちゃんと儲かるなら最高!アジャイルやりたい人は、そこまでコミットしてね。やめる勇気ってのは大事だけど、代わりのお給料を払うための売り上げを上げる努力に対する責任は上のせいにしないで多少は持ってね。もし現場がそこまで意識できてなくて、流行だけでアジャイル云々とか言ってるようにしか見られなかったら、怖くて見積もりモデルから抜けられないでしょう。)

要はここがうまくやれない会社は、コストを下げて、量をこなすことしかできないのでサービス残業を強いられることになるだけである。そして、見積もりで売り上げ上限が確定している以上、もはや今期の売り上げを向上させる手段としてソースコードのエレガントさは関係ない。

この場合、開発者が意識しなきゃいけないのは利益を出すために必要な品質問題と、生産性向上という話になる。

トヨタ車がすげー高い品質の車を作ったとしても、作っているモノがカローラであれば、150万の車が300万で売れるワケじゃないから、いかに安価に、不良を出さず、かつ迅速に生産するか?が利益の鍵。

(ただし車は量産できるビジネスモデルになってるので沢山量が売れることで儲かる。しかし受託は量産効果が効かないので、いくら良いものを作っても、そのレバレッジ効果は高くならない、がそれは別の話)

もし成果報酬にした場合は、その開発工数が無駄に終わる場合もあるが、それは間違いなく真実なのであって、その現実に付き合うか否かってところが鍵になる。アジャイルとWebサービス事業者はこっち側。


見積もりも不確定だが、その成果物がコストに見合った成果を生むかどうかもまた不確定なのである。

果たして開発者はそこを意識しているだろうか?


まだ僕は完全にはコミットできてない。だから、僕もこのエントリの対象である一プログラマとして、ここに書こうと思えるわけで。でも、もしかしたら経営者にでもならないと無理かも。やっぱり所詮、社員は社員だよという考え方もずっと持ち続けてる部分はあるし。


僕は成果物がWebのコンシューマ向けサービスの視点から書いちゃってるけど、基本的に業務改善なども同じ。そのシステムがどれだけ生産性の向上に寄与したか?そこで発生した利益でのみ報酬が発生するべきなのだが、実際は、そこに対する変数が大きすぎて単純に価値を計れないし、多分、見たくないし、面倒くさいし、事前見積もりによってのみ報酬を確定するようにするのが「無難」というのが標準化されてるんじゃないでしょうか。

多くの開発者を優遇する会社は、ここのところを「ごまかしている」ように思える。
それは一般的な開発者が売り上げという言葉を嫌うからだ。自分はあまり関係ないと思っている。だから能力評価で差をつける。

でも大事なのは、「ない袖は振れない」ので、売上利益を元にした給与配分が行われているのは当たり前のことで、やっぱり給与の原資を得るために社員の労働力がどれだけ利益に換算されているか?でのみ労働価値が決まるということは何も変わらない。

まぁそのパイをどれだけ社員のために確保するのか?、正確には、今後、誰に何を目的として、戦略的に人件費を投資していくのか?ってのが経営側マターの話だと思うけど、僕は経営者じゃないのでその辺のあり方は全然わからない。

でもパイが決まっているのであれば、誰かを優先すれば、他の誰かのお給料が上がらないだけなのだから、何というか社員であれば、やっぱり今期の売り上げ、利益にどれだけ寄与するかってのが一番大事なんじゃないかな。

このエントリの発想のソース:
分裂勘違い君劇場
プログラマの労働条件を過酷にしているのは、過酷な労働条件を受け入れるプログラマです
404 Blog Not Found
プログラマーって本当に労働者なのか?

#追記
と書いてみて、社員っつう立場も、やっぱり事前見積もりに基づく定額報酬に過ぎないということに気がついた。

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