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藤川真一について


初代モバツイ開発者
想創社再創業 / KMD博士課程
著書〜100万人から教わったウェブサービスの極意―「モバツイ」開発1268日の知恵と視点 [Kindle版]
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July 09, 2013

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身の回りの人たちが3Dプリンターを事業としてやり始めていて、まだ確実に早い行動だと思うが、とは言え、しかるべき時代が訪れた時に始めても遅いわけで、じゃぁ、どういう時代が来て、その時に3Dプリンターなるものがどういうスタイルになっていたら、多くの人が使いはじめるんだろうか?!と思うので、現時点で思っていることのメモをしておこうと思う。

■現状、3Dプリンターが活躍している場所

現状、3Dプリンターが活躍している場所として上げられるのが大学のような教育の場だろう。僕が通ってるKMDにも修士の授業に3Dプリンターの授業はあったし、SFCの方も3Dプリンターの導入が話題になっていた。

学生は、まだ量産品を作る必要はないのだから、授業やプロジェクトでの学びの手段として使うことができる。

ただし3Dプリンターを使うには、そもそものプロダクトデザインの考え方はもちろん、デザインスキルや、3D CADのスキルが必要なので、相応の教育は必要だ。

仮に回路基板を作れても、ガワを作るのはすごく難しい。が、秋葉で買ってくる鉄のケースやアクリルを曲げただけのケースだと、市販品とくらべてもテンションが上がらない。

このテンションが上がるってのは、クリエイティブには、すごく大切なことで、そこを3Dプリンターが担えるなら、市販品とまでは行かないかもしれないが、市販品を彷彿させるようなプロトタイプにより良い物が作れるのかもしれない。

特に学生は学ぶのが仕事なので、この新しい環境に慣れていく可能性は高い。今後の3Dプリンターを活用する世界を作るのは今の大学生だと思う。もしかしたらインターネット元年の時のような新しい胎動がある、、のかもしれない。


■将来的に、何を出力できたらハッピーなのか?!

イケダハヤト氏がblogで書いていたような、人工臓器などは良いだろう。ただ、その世界も含めて3Dプリンターと呼ぶべきなのかはよくわからない。

3Dプリンターはどうしても金型を使った量産コスト、、、材料費、時間の面ではかなわないわけだから、コモディティ化されただけの商品ではコストで太刀打ちできない。今、秋葉に行って買ってくれば、そっちの方が早いというものでは負けてしまう。

そうではなく、一品一様のカスタマイズが不可避な製品が向いているだろう。例えば、体に障害がある人のアシストの道具を、消耗品として使っていくとか、もしくは、そこで作られたものを図面化して、実際の素材に起こしていくというのは夢がある話だと思う。おそらくARというか、人体拡張的なアイテムもどんどん出てくる可能性があって、そういう所で3Dプリンターは生きるのかもしれない。

トライアンドエラーがやりやすいという面が強みになることは十分に考えられる。

それに対して、市販品の代わりになるような指輪やアクセサリーなどは、あくまでもアウトプットの品質に依存するだろう。

そういうのを個人で作りたいかというよりは、作りたいクリエイター向けの人の生産手段としては良いのかもしれない。それこそ、美大生は3Dプリンターを使って、何か素敵なものをデザインしていたりするのだろうか。

とりあえず現時点で思ったものとして、ガンプラで市販されてない武器パーツとか、市販品にアドオンしたくなるアイテムなどがよいのではないだろうか。ザクの手に持てるオリジナルの武器とかは結構楽しいと思うのだが。

また、印刷までの時間がどうしてもかかるので、ここのイノベーションには不可避。買いに行く時間と印刷するまでの時間を比べて、時間的な部分での経済合理性が見えるような製品があるようなものなら、新しい価値を生む可能性があると思う。

紙のプリンターは、印刷物をプロに頼むよりも、高い利便性があるようなものこそ、お手軽に印刷しようとする。しかし、会社のパンフレットや紙の取説など、プロの印刷業者の手で印刷するものはあるわけだから、それと同じように考えれば、本当の量産品は3Dプリンターになることはない。しかし、ある領域を家庭内3Dプリンターのようなものが代替手段にある時代は来る、、、、、のかもしれない。


■ブラザーに期待している

イマドキのブラザーのミシンは、データを元に自動的に刺繍をしてくれるとか、それをそのまま立体にするだけで、3Dプリンターと呼べるんじゃないか?!というミシンを作ってる。そもそもソフトベンダーTAKERUを生み出したような、イノベーティブな会社なので、ブラザーが何かをやるのは期待できる。ただ、何が実現すれば、一部上場企業の事業としてふさわしいのかは、まだあんまり思いつかない。(僕が保守的なのかもしれない)

■ガワだけじゃなくて、中身も作れるようになりたいし、そうならないと生きない。

例えばBluetoothで、すごく小さなアイディア製品を作る開発能力とアイディアがあったとしよう。とりあえず10個量産し、モバイルデバイスとしてスマホと連携できれば、僕達の業務フローは劇的に改善される、としましょう。

そういうプロセスにおいては、3Dプリンターによるガワを作るのは凄く役に立つだろう。なにせ、今まで秋葉でしょぼいケースを買ってくるとか、ハンズやドイトで何かを買ってくるとか、プラ板を曲げるとか、優れた技術を持った人でなければ、なかんか良い解決法しかなかったのだが、それと比べたら、優れたケースのデザインをカスタマイズできるのであれば、凄く良いと思う。

そういう意味では、Raspberry pieや小さなタイプのAruduinoにぴったり当てはまって電池も入れられるケースが作れたら、すごく良いと思う。ガワにおいては、電池という要素が結構重要だと思う。

しかし、そういう時にiPhoneと通信できるBluetooth Low Energyのサンプルとか、実用的なサンプルプログラムも同時に欲しい。つまり実用性を担保する情報は、メディアとして必ず必要だ。その結果、日曜大工のようなデバイスが作れるなら、とても夢のある話だと思う。

3Dプリンターの進化はモバイル技術の進化とセットになるべきだと思う。ただ、いずれにせよ多くの人にとっては勉強が必要だ。Webとか上位レイヤーのプログラミングしかしてこなかった人には、C言語やデバイスの仕様書を読みほどく力や、もしくは、そういう情報メディアの出現が不可欠だと思う。

3Dプリンターの3D CADの設計技術もさくっとできるものなのか、よくわからないが、少なくとも作りたいと思ったものを、パーツに分解していく設計技術は勉強しなくては作れないだろう。

さすがに今までの知識の延長線上で、「誰でも簡単に作れる」ってのはないと思う。「誰でも簡単に印刷できる」ってのはあるだろうけど。

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僕は昔、製造業の現場にいて、会社の機械はちょっとぐらいなら使っても良い環境にあった。鉄もハギレとして捨てているものであれば、ステーを作るぐらいなら勉強のために拝借することも可能で、車のオーディオ・スピーカーを止める金具とか、そういうのを作ったり、はたまた、自分の家にある自作PCの鉄のカバーにファンを外付けするために筐体に12cmファンの吸気口をつける穴を開けたり、ということは、ちょいとやっていた。

ただ、なかなかアイディアというのは思いつかないもので、逆に言うと、自由に工作機械や工具が使えても、そんな日常のちょっとしたことぐらいしかやりたくならないわけだ。それは多分、3Dプリンターが身近になっても、何も情報がなければ、みんなのニーズなんてそんなもんだと思う。街に出れば優れたデザインのモノに満ちあふれているわけですし。

だからこそ、どういう風に活用できるのか?!というアイディアを発信していくのは大切なことだし、その先に新しいものが見えてくるんじゃないかとは思う。

大事なのは、スキルがある人が、アイディアを思いつくわけではなく、アイディアを思いつく人は、必ずしもスキルがあるとは限らない、ということ。

ITによる製造業の変革があるとすれば、生産技術だけじゃなくて、アイディアとプロトタイピングが、今まで触れる機会がなかった人たちに触れることができることではないだろうか。3Dプリンタのようなプロトタイピングや、Arduionoなどのオープンソースハードウエアによる低コスト化の波というのは、そういうアイディアの入り口に位置するものではないのか?!と僕は現時点では思っている。

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