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藤川真一について


初代モバツイ開発者
想創社再創業 / KMD博士課程
著書〜100万人から教わったウェブサービスの極意―「モバツイ」開発1268日の知恵と視点 [Kindle版]
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February 11, 2008

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ということで、前エントリー「自分にとって優しいことを言ってくれる人が真の味方とは限らない1」からの続きです。

■日経bp 「思索の副作用」に見られる優しい苦言

どなたかのはてブを経由して見つけた日経bpのサイトにある「思索の副作用」というコーナーに読み入ってしまいました。

さまざまなところへの波及に気を払うための防御線を引きつつも、言いたいところをちゃんと言ってる感じ。自分とスタイルが似てるのでとても好感。気を使ってるところも見えてしまって、そこはかとなく恥ずかしいのですが。これ読んでて朝になってしまった。以下何点か面白かったところ抜粋。


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中小企業格差というタブー
「日本には独特の清貧の思想というのがあるが、それが『貧しい方が清い』と曲解され、『弱者こそ正義』という風潮が生まれている」
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テレビ東京の中小企業の描き方には違和感を感じてた。
この記事も気を使いすぎ。それだけセンシティブな話なのだろう。。。

中小企業が社会の歪みを受ける弱者みたいな構図になっている。

中小の強みは社会情勢の変化に迅速に対応できるというところに尽きると思うので、その進化を止めて、本当の意味での下請けになってしまったから、中国に持ってかれたということなんだろうし。

そう考えると、小さいところは、今まで自分がやっていたことでも、あえてやらないことを作っていくという変化の柔軟性がないと続かないよな。ネットベンチャーがサイトを作って大手に売却するような感じで、極端なことを言えば、量産品の金型なんか中国にくれてやれ!ぐらいのノリで。

社員のエンジニアが凄いテクニックを持ってるなら、日々の量産に能力を消費するんじゃなくて、新しいイノベーションにチャレンジした方が良い。

・・・なんて簡単に言うなって話だろうけど。そりゃイノベーションなんだから簡単なわけがない。

でも大企業が中小に投げるベネフィットがコストでしかないなら、そりゃ中国に投げられるよな。つまり、業務においてエンジニアのスキルが本当に求められていたのかっていうとそうじゃなかったって話だよね。今のタスクにおいてエンジニアとしてのこだわりは自分たちの自己満足じゃないのか?みたいなのを考えるのは大事なこと。

そこで「誇り」とか「頑張ってる」とか感情論が入ってくるからややこしくなるんだけど、僕も現場で、こんなの勘弁してよ!ってできの中国製パーツに置き換えられていく様を経験してきたので実感としてあるんだけど、機能的に問題ないならそれで問題ないんですよ。たまに機能的に問題あるところに中国製が入ってきて返り討ちに合うんだけど、それでもコスト的にメリットがあって、そういうのを頑張って乗り越えるのもまた経営なわけです。

dellは不良品が多いけど、電話すれば速効で交換してくれるってのと同じ。それでも儲かるようになってる。

多くの若いエンジニアも、このコダワリに関しては結構同じ気質を持ってる。日本人としてのDNAにはこういう気質が埋め込まれているんじゃないの?と思うことは結構ある。

例のPHPの件とかSIerの件が結構象徴的で、ネットに出てこないところでどっちが笑われているか?ってのは正直あると思う。って僕や僕の周りが笑ってるわけじゃないので、そこんとこよろしく。

大企業が陥る罠を大企業病と表現しているが、あるビジネスに役割を特化したグループとして分業していくのが組織って奴なんだから、病気でもなんでもなく変化に対する柔軟性が下がるのは当たり前。

工場のラインで言うなら、ラインの役割が、ある日突然、本人のスキルとは違うことが求められたら生産ラインが成り立たなくなると思うが、それと同じような変化をみんなに求めてくってのは難しいからね。セル生産のように、もうちょっと個々人が対応可能なタスクに落とし込んでいかないと。

小さい会社は、そこを逆手に取らないといけないということがなんだけど、中小企業そのものが、大企業の分業体制の一つの歯車になっちゃって、気がついたら変化できなくなってるって話だと思う。

とても参考になった。

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バリエーション地獄
「多様化の時代とは、実は均質化の時代なのではないか」
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本のデザインをデザイン会社に依頼すると、数種類の案を示してくるのが一般的だ。けれど彼は「一発勝負」にこだわる。バリエーションを作る労力とアイデアをすべて1案につぎ込んでもらうのだ。
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1と2以上は全然違うという話。

自信のないUIだからメニューが複雑になる。
アップルの強みは、一つの利用用途に絞るセンスと決断力。

例えばiPodなんかも、たまに使いづらいところもあるけど、トータルでOKなことが多い。どうせ使いにくいなら簡単な方が良い。

引き算のデザインとよく言われる言葉が、あまりピンと来てないんだけど、「何かを実現せねば」と思いこんでる前提を一つ捨ててみると一気にシンプルになる時の取捨選択の話なら同感。

例えば、ユーザー管理を充実しておきたい思った瞬間にいろんな機能や準備工程が前提として必要になってしまうから、そういうの捨てたら、必要なときにメールアドレスだけわかればOKだったとか。

特に開発は、いつ訪れるかわからない拡張可能性のリスク管理を仕様面で検討しておくのが商売と思いこんできたところがあるから、この辺のビジネスセンスは重要。

自信がなければ機能てんこもり、自信ありすぎたら後で返り討ち。まぁ僕は、ネガティブな心境が起因するなら、必要になったときに徹夜して直そうぜ!って言うけど、自分自身が間違ってたら違う道に行くので慎重に考えようとは思っている。僕もエンジニアなので、そんなにシンプルにまとめるのには自信がなかったりします。例えば、OpenID対応したいとか思ったら、システム的にどうにかして実現しようというエンジニアリングベースで考えちゃう。今のままなら、やらない(できない)って選択肢もあってしかるべき。

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最も効果的なブランドの壊し方
「何をするかも大切だが、もっと大切なのは何をしないかということ」
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やっぱり船場吉兆がやってることは、グループの本質から外れてたんだろうな。
本来高級料亭だった吉兆グループの中で、外注した洋菓子に吉兆ブランドをつけて販売していた。

そういうのって無理出るハズだから実は儲かってなかったとか?そもそも偽装なんて、それをやる理由ってのがあるもんだ。

ただ、何をやって何をやらないかという信念を持ち続けるのは、かなり決断力のいる話でしょう。実際、船場吉兆の売り上げは、同じグループの中では際だっていたとのこと。ある種のぼろい商売が成立してるなら、それが正義でもあるしね。

もう最後は、「適切なこだわり」に尽きるよね。でも儲からないとダメだしね。極めて難しいよね。

Yahoo!の買収劇じゃないけど、上場してたら、いくらこだわりを持っていても儲かってなくて株価が下がって他の会社に買われちゃったら何の意味もないし。弱肉強食、諸行無常。

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成果主義の弊害と弊害と弊害
・人は「損をした」ときに「得をした」ときの3倍大きい精神的ショックを受けるという
・成果主義が会社にもたらすネガティブの総和は、プラス評価を与えた人の総和よりも多くなってしまう。
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偏差値50の社員マーケティングとして見たときに、人なんて与えられた役割以上に、早々凄いことをやれるケースの方が少ないので、常に評価されて給料が上がり続ける人とそれ以外の人は大体固定される傾向にあるのかも。

受託業務だと特に、案件が正常にできて100%達成なので5段階で言うなら3か4になる。
ものすごくリスクが高い案件を、ひーひー言いながらこなしたら5になったりして。そこまでやらないと5にならないの?とか思ったらちっとも嬉しくないし、温情判決みたいなもんだし。サービスだも5がつく局面ってのは極めて少ないかも。技術とかデザインだけじゃない何かが大事だから。本当の立役者は出世の形で評価されるしね。モバゲーの開発者みたいに。

成果連動型の会社では、いわゆる20%ルールは運用できない。理由は簡単で本人にとってもチームにとっても利益が相反するから、みんながwelcomeじゃない。

20%ルールは、先行投資としてエンジニア一人一人のポテンシャル評価にしてる会社じゃないとうまく動かないと思う。福利厚生でやってるとしたら、相当儲かってて遊ばせておいてもOKという会社なんだろう。20%ルールが適用されてる会社は、そのありがたみと会社が負っているリスクをちゃんと理解して頑張るべき。遊ばせておいてもOKということは、ビジネス上は、いなくてもOKという考え方もできなくもないから。

あと給与評価面談ってのは、会社にとってもリスクがあって、「辞めるタイミング」を提供するものってのでもある。特に給与もブランドも大企業と比べて相対的に低いベンチャーは特にね。

あ、今の会社とは全然関係ない話なので邪推せぬようお願い申し上げ候。

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思索の副作用の著者、日経BPの仲森です。何だかとても深く読んでいただいていて感動いたしました。ただ、うれしくて、一言お礼をと思いまして。失礼いたしました。仲森

2008/03/07 13:35 

レスありがとうございます。

Webで読み応えのある記事に出会う機会ってあまりないので、今後も楽しみにしています。

2008/03/08 17:22 f-shin
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