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Webを中心とした、ビジネス&テクノロジーに関する思いつき
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藤川真一について


初代モバツイ開発者
想創社再創業 / KMD博士課程
著書〜100万人から教わったウェブサービスの極意―「モバツイ」開発1268日の知恵と視点 [Kindle版]
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December 24, 2007

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以下、知ってる人は誰でも知ってる、でも僕みたいに知らないでWebの仕事をしてる人もいると思うので書いてみる。

不肖ながら、自分がWeb制作会社で働いていたときにはバナー広告を作る作業というのは、

・おまけで作るような低単価で、
・作るのが楽しくない
・誰がクリックするの?

と、あまり好ましい仕事ではないと思っていた。

僕自身、バナーをスルーする機能が備わっているので、その感覚でバナーなんて価値がないと思っていた。

最近、僕が仕事で担当しているショッピングポータル カラメルで広告販売を始めた。PVも順調に増えてきて、そろそろメリットがショップさんに提供できるだろうと思ったのでやることを決めた。

カラメルに出店されているショップさんに露出の機会を提供するために、1週間で約5万インプレッションほどの表示回数を購入単位として、数千円というバナー広告としては非常に低価格に出稿できるサービスだ。

広告の手配の障壁などをなるべく簡素化して、価格も安くして、アフィリエイトなどでバナーを作っているショップさんにお気軽に出稿していただけるように作った。

この商品設計をするために、複数のバナーでどのようにクリックされるのか?そもそもカラメルにバナーを貼り付けて効果が見込めるのか?を数ヶ月にわかって実験を行い調査した。

そこでわかったことだが、(って、当然ペパボでもバナーは重視してるので、結論は知っていたことだが)

結論を先に書くと、

「バナーという商品は非常に面白くてクリエイティブな仕事だ。」

何故なら、

・バナーサイズが数種類のサイズに規格化されている
つまり土俵が大企業も小さな企業も変わらない
・バナーサイズは規格化されているので、いろんなサイトに再配信が可能
・どこかのコンテンツの一部分に「割り込み」ができる数少ないメディア

そして、

・同じバナーの内容でも、デザインのデキによってクリック率が変わる。
ビジュアルデザインのクリエイターにとっては格好の勝負の場

である。

クリック率が変わると言うのは、コンテンツに1万人アクセスする人がいたとして、バナーのクリック率が1%なのか2%なのかで見込み客が100人変わるということ。

見込み客が100人変われば、当然売れる可能性も上がる。
何よりルールが決まっているので、クリエイティブの価値がはっきりと数値化できる。

一つの商品を複数のクリエイターにお願いして効果測定してみれば、バナー職人としての序列は大体わかるだろう。

是非、発注する側の人も、制作者にちゃんとCTR(クリックスルーレート、実際にコンテンツページで表示されたバナーがクリックされた率)や、コンバージョンレート(バナーを通じて実際に成果が上がった数)を共有してください。

これは野球で言うなら打率。

この部分が共有されないと、全然成果がわからないので制作者のモチベーションは上がりません。冒頭のバナーへの価値がわからなかったのは、その成果を知らなかったから。

この値を重視して、リピートオーダーを決めたり、報酬を上げたりするとクリエイティブの質は上がっていくと思うので、発注する側がバナー広告の価値をちゃんと理解することで、どんどんクリエイティブな仕事になっていくと思います。


僕のようなバナースルー機能を持った人間は、クリックしない99.9%とか99.8%の側の人です。

多分、F's Garageを読む人のほとんどもそっちの側だと思うので、「バナーなんて誰がクリックするんだろう」と思う人たちばかりでしょう。
僕が開発仕事だったせいだと思うが、制作会社で自分主体に考えていたときには、気がつくチャンスがなかった。

しかし、パチンコとかスロットなどをやる人は、この辺の感覚で利益を出すのは常識だし、うざいスパムメールやトラックバックスパムがなくならないのもこの理屈なのだが、スパムメールの文章のクオリティや釣りのテクニックが高いのは、それが成果につながるからだろう。


単純にクリック率を高めて、クリックさえさせれば良いのか?というと、まっとうなサイトや商品であれば、そんなハズはない。

そこは、いわゆる誇大広告でクリックしても、見込み客との信頼感は生まれない。
そういう意味では、バナーとバナーをクリックした先のコンテンツの質がうまくバランスされて、最終的に購入にいたるんだと思う。

もちろん、商品によってはその場で購入するとは限らず、商品認知を得て、一ヶ月後ぐらいに購入されるケースもある。

商品ではなく、会員登録というケースもあるが、いずれにせよバナーのクリック先の商品がホンモノでなければ売れることはない。

いずれにせよ商品の認知のきっかけとして、さまざまなWebサイトに食い込むことができる数少ないメディアだ。

最近、バナー広告のクリック率が下がっていると聞くし、単価も安くなって広告ビジネスをやっている人には、うまみのない商売と言われているが、それはバナーで商売をする人たちの嘆きであって、先ほど挙げたバナーが持つメリットは今も昔も変わらない。(これはメルマガマーティングも同じだ。コモディティ化してからが本当の勝負なのに、価値がないと勘違いするのは大間違い)

PhotoshopやFireworks一つで勝負ができる制作障壁も低いメディアだからこそ、クリエイターにとっては、是非、チャレンジしていただきたい。

できれば、カラメルを利用するショップさんと、フリーで働く地元密着型のクリエイターさんとを結びつけるようなサービスを作れたら良いなぁなんて思ってるんだけどね。そういうの興味ある人がいたら教えてください。クリエイターさんが数十人規模で集まったら、本気で考えます。

多分、単価は高くないと思うので、既存の受託感覚だとクオリティコントロールが難しいなぁとは思っているんですけど、ショップさんに出稿していただいているバナーは当初想定していたよりもクオリティが高く、やはり目的の共有が大事、「なんのためにバナーが必要なのか?」をわかるってことが大事なのかなと思うので、そこをベースとした成果の共有みたいなのが必要なのかなって。

カラメルをベースにクリエイターのレーティングができたら面白いかな。要はレバレッジが効くモデルにすることが大事なんだよなー。


と、仕事絡みの話を書いたので、ついでに最近のアウトプットもご紹介。

以前、AdobeのEdge News Letterに掲載されたカラメルチームのインタビューが、WIRED VISIONにも掲載されました。

paperboy&co.がCreative Suite 3で構築するショッピングポータルサイト

WIRED VISIONって、ビジネス・アーキテクツの方が運営されているんですね。


あと、僕が書いたSpry Widgetについての記事がAdobeのDeveloper Centerに掲載されました。

Spryテキストフィールド検査ウィジェット導入事例:ショッピングポータル「カラメル」

以前、ここで書いた、「Unobtrusive ScriptingというJavaScriptの設計手法」あたりの話はこの記事を書いている時に気がついたことで、そのエッセンスもわかりやすくなって入っています。

SpryがドリのJavaScriptコンポーネントということもあり、ターゲットが初心者向けとなっていますが、Developer Centerというタイトルなので、エンジニアの人が、このJavaScript Framworkを導入する検討をすることも想定して書いています。Spryには良い面もそうでない面もありますが、ロジカルにメリット、デメリットを測れる人にSpryってどうなん?ってのを理解するお手伝いができるんじゃないかと思って書きました。

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