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藤川真一について


初代モバツイ開発者
想創社再創業 / KMD博士課程
著書〜100万人から教わったウェブサービスの極意―「モバツイ」開発1268日の知恵と視点 [Kindle版]
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May 21, 2011

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震災から2カ月。まだまだリアルタイムなので総括したりすることではありませんが、東京はこれから夏に向けて次の試練が起きる可能性もありますので、、今のうちに当日から1週間に起きたことを書いておきたいと思います。

■地震が起きた時
当時、ちょっとした理由で警察署で被害届などを出しており、地震は警察署の刑事課の部屋で経験しました。

その後、外に出て、街が騒然としている状況を横目に見つつ、モバツイにアクセスが集中して繋がらない状況だったので、路上でVAIOを出して、ドコモのデザリングでサーバにログインし、とりあえずできる対処を行っておりました。

そんなタイミングで、両手いっぱいにスタッフへのお土産を抱えて歩いて会社に帰る、ピクシブの片桐社長と道でバッタリ会ったのはものすごい偶然でした。タクシー前提でお土産を買ったらタクシーがつかまらずに歩いて帰っていたようです。


携帯による電話は当然のように不通。

モバツイと、PC経由のSkypeは繋がるので、VAIO typeZを手のひらに持ち運びながらSkypeで会社の無事を確認するも連絡がつかず。たまたま家にいたスタッフの無事だけはその場で確認できました。

どうやら築40年級のビルである当社オフィスが入るビルは、階段にヒビが入り、社員は避難エリアに避難していたようです。


■とりあえず家に帰る
電話は不通。タクシーは全くつかまらず。

とりあえず歩いて会社に戻ろうかと思いましたが、よく考えてみると、家に戻った方が早いことに気がついたので自転車で会社に行こうかとなどと言う事を考えながら、モバツイ経由で状況をツイートしておりました。

するとスタッフの一人(奥さん)が、家に歩いて帰るとのこと。状況をツイッター経由で聞いてみると、状況はよくわからないけど、ほかの社員を連れて帰るとの話で、会社には来るなという命令をツイッター経由で得たので、とりあえず家に帰りました。

聞くと、オフィスが入るビルはとりあえず避難状態で安全が確認されるまで立ち入り禁止のような状況だったそうです。鍵を閉めずに避難したので、火事場泥棒の可能性を心配しましたが、後で、一緒にオフィスを借りている人から鍵は閉めたとの連絡をツイッターで得て一安心。

うちはちょっとした避難所になり、他の人たちも近くのスタッフの家で一晩を過ごしたりしていたようです。スタッフの居場所や状況がツイッターを通じて確認できたのは、すごく良かったと思っています。

ここから数日、ひょっとしたら東京で大停電があるかもしれない、と、機械式駐車場に止めてある車をコインパーキングに移動しました。車にはAC100Vのコンセントをつけてあるので、いざという時にサーバにアクセスできます。動く自家発電機です。

ガソリンは地震の翌日の段階では、まだ普通に入れられました。茨城までスタッフを送って行きましたが、戻ってきた時もまだ大丈夫でしたので、予想されるガソリン不足に対して備えができました。


■震災の時にモバツイができること
さて、地震直後に、家に帰ってテレビで見た映像は想像を絶する状況でした。
そして自分たちの状況からも、東京で帰宅困難者が多数でることも想像がつきました。

まず何よりやったことは、モバツイのサーバを増強することでした。

幸いにもモバツイが使っているAmazon EC2は、すぐにサーバを増やすことができるので、増えたアクセスに対応すべく、サーバを増やしました。

どうしても地震が起きた直後は、一気にアクセスが集中してしまうので短期的に起きる強烈なアクセス負荷までは仕方ないまでも、定常的に増えたモバツイへのアクセスはしっかりカバーできるようにという前提条件でサーバを増やしました。

モバツイを始めたころに抱いていたツイッターへの期待はまさに社会インフラになりえるのではないか?と思ったところから始まっていますので、この非常事態に我々ができることというのは、とにもかくにもツイッターにアクセスする最適な手段を提供すること、接続できる状態を維持すること、それが最大のミッションでした。


モバツイは、広告収益で運営されておりますが、テレビがACの広告で埋め尽くされた状況でおわかりの通り、純広告について入っていた受注はほとんどがキャンセルとなりましたので、ここからしばらく赤字の状況で運用することを覚悟しました。その状況が数カ月続いたら、経営者として初めての試練が訪れるかもしれない、と覚悟をしたのは事実です。

またGoogle Adsenseを代表とするとアドネットワークも当然、広告単価が下がってしまうので、広告収入に依存する会社は、社会の動きに強く影響を受けることがよくわかりました。広告についてはまだ完全に復帰したとは言えません。3月に起きた震災というのは、今期の予算に影響が出ているのではないかと思います。


■その時、誰がモバツイを必要としたか?

特に震災直後の大停電の中、電話や携帯電話そのものが繋がらない状況でしたので、当時のモバツイで想定したユーザーは、主に、都市部の帰宅困難者や連絡が取れず不安をお持ちの皆様に多くお使いいただいたのではないかと思います。

高いユーザビリティを実現する「アプリ」だと、自動でアクセスをしてしまったり処理ループが内部で走っていたりするので、バッテリーの寿命が少ない可能性が高いですが、ブラウザベースのモバツイでは、ユーザーがリロードしない限り通信しませんので、モバツイの画面を広げながら歩いて、気になった時にモバツイにツイートを送ったり、リロードしたりという使い方が可能です。

歩いて会社や家に帰宅される際にも、モバツイは画面を表示したまま、すばやくアクセスするということが可能になります。


■公式RTと非公式RTのプライオリティを変える

ツイッター上では、多くの情報がユーザーによって伝搬されました。
そこで問題とされたのは、「善意に基づいたデマ」だったと思います。

悪意を持ったデマも流れましたが、多くは善意に基づいたデマ。ツイッターは、現存するWebサービスの中では、もっとも脳の思考に近いサービスですので、その真偽を確かめる前に、感情の吐露という文脈で、ついツイッターにRTし、情報がフォロワーに伝搬してしまいます。その中で、非公式RTの持つ問題点がクローズアップされてきました。我々も、「公式RTをしやすいユーザインターフェース」に改良しました。

これらの作業が会社という物理的な場を通じてではなく、Skypeを通じてスタッフ間で連絡を取り合い、サーバの画面を共有しながら作業した、というのは、今回の震災の状況の中での企業体の在り方として、先進的な状況なんだろうな、と思っております。


■震災ページや、シンプルモードなどの取り組み

地震直後に、さまざまな情報が錯綜し、モバツイ上でも情報を求める方々が増えておりました。ツイッターは情報はあっという間に流れてしまいますので、多くの人に重要な情報のために、スタッフの提案及び自発的作業で、別ページを作成し、災害情報や安否確認情報へのリンク集を作りました。

そして、モバツイのタイムラインの一番目立つところに表示させていただきました。こういう情報は、必ずしも多くの人たちに役に立つとは限らない情報なわけですが、もしかしたら生死に関するレベルで必要とする一部の人に向けて、情報を優先させて表示させていただきました。

また、被災地で作業される方や、またいつ起きるかもしれない地震に向けて、再度帰宅困難になる自体が起きたことを想定し、モバツイのシンプルモードについてのプレスリリースを出させていただきました。

シンプルモードは、画像を表示せず、機能も減らすことでHTMLの容量を減らしたモバツイの画面です。現状のインターフェースは、視覚障害者向けに、らくらくホンの音声読み上げで、モバツイを利用いただくことを最優先にしたユーザインターフェースになっておりますが、これが、通信料が少なく、いざという時に極力バッテリーを温存しながらツイッターで情報共有するのに最適だと思ったので、こちらについてのご案内をさせていただきました

携帯ツイッターサービス「モバツイ」、省電力のシンプルモードを提供
~災害特設ページも随時更新中~

スタッフ全体が、このような状況で、自分達は何かできないものか?と考え、skypeチャットなどで議論してたりしました。インターネットは生活の中で必ずしも必須ではない現状において、独りよがりにならず、かつ、googleでもYahoo!でもなく、メディアサイトでもない、「ツイッタークライアント」と言うツールとして、やっていいことやってはいけないこと、という前提意識で、何かできないか?と焦るみんなの意見を調整しながら、時に感情的になったりと、結果的にまだ幼いマインドスコープという会社の新しいチームとしても、一つの壁を超えるきっかけになったようです。


■モバツイのアーキテクチャが起こした思わぬメリット

モバツイは、マルチアカウントに対応してない、などと言われたりしますが、実は対応しております。

モバツイはログインした時に、登録毎に個別のURLを発行しますので、要するに携帯のブックマークで使い分ければよいわけです。

更に例えばタイムラインページやDMページのURLというのが個別のリンクになっておりますので、例えば、自分の両親がネットの操作になれておらず、ツイッターを使えない、という状況でも、パーマリンクでDMページをブックマークしておく、とか、自分のプロフィールページをブックマークしておくことで、いざという時の連絡や、安否の確認や把握が可能です。

Exciteにもモバツイを活用したアイディアが投稿されておりました。
インターネットをよく理解していない家族と、Twitterで連絡を取る方法

なお、モバツイでも明示的にマルチアカウントを切り替える画面を提供予定となっております。


■終わりに

震災後から急上昇したPVは、2~3週間を経て一旦、元の状態に戻りました。

しかし、今、現地で活動する方々に、モバツイをご利用いただいている方もたくさんいらっしゃるようです。今後ツイッターを活用していこう、という試みで、モバツイを活用いただいたり、というお話もお聞きします。

まだ震災という状況はリアルタイムで進んでおりますし、今後、また地震が起きないとも限りません。夏はどうなるかという不安も進行中です。

今回の経験で、東京にサーバがあればよいというのは実は危機だったという事がわかりましたし、かと言ってアメリカにサーバがあるからと言ってそれで安心できるわけじゃない。電気という当たり前に供給されていたものが、原発という人の手に負えないものに支えられている、特にインターネットに関わる者は非常に難しい世界の上で仕事をしてるということを痛感しているのではないでしょうか。

それでも元々軍事技術から生まれたインターネットは、モバイルの状況においても優れているということがわかりました。

人々の生活に必要とされていく度合いが増えていくことは間違いない。そんな中で、我々も、少しでも社会のインフラの一つとして必要とされるような状況に関われて行けたらと思っています。

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