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July 16, 2004

IBMで行われているユーザー中心デザイン(UCD)という「使いやすさ」を追求する商品設計プロセスを紹介した「使いやすさのためのデザイン」を読んだ。

ユーザー中心の設計を行うプロセスは次のような過程で進んでいく。

1.市場の定義
「誰が何のためにその商品を使うのか?」というプランニングのフェーズ。
分業体制だと、まずはプランナーの仕事でしょうか。上流から情報デザイン担当が関われるワークフローが組めれば、それに越したことはありません。

2.ユーザー情報と競合商品情報の理解
「ユーザーは、何を求めているのか」を把握する。
とりあえずはプランナーの仕事かな。

3.コンセプトデザイン
「何をどのように提供すべきか」を策定する。
ユーザーシナリオの作成、コンセプトデザインの視覚化、デザインウォークスルー(ペーパープロトタイプなどで評価してもらったり)を実施する。
ここと次の「設計の洗練」が情報デザイン担当の重要な仕事の内容ではないかと。

4.設計の洗練
「商品は魅力を備えているか」を確認し、洗練させていく。
プロトタイプを作成し、評価してもらうことで、デザインと評価を繰り返すプロセス。

画面設計書という納品物を作りつつも、いかにお客さん(しかもかなり素人だったりするわけで)に理解してもらい適切な評価をしてもらうか・・・課題です。

5.評価と妥当性の検証
ユーザー評価のフィードバックを経て、ユーザーの期待に応えているかを検証し、修正するフェーズ。
ここは普通のWeb制作プロセスでの実施はなかなか難しいので、とりあえず将来の課題ですかね。

6.市場での評価
市場でのユーザーによる評価を確認し今後の開発に活用する。

パソコンみたいに一度発売すると修正は致命的に難しい製品で、かつ1年ぐらい開発期間が取れるなら4,5,6は普通にやるでしょうが、顧客要望の納期が異様に短く、かつ修正が容易なWebでは、4はそこそこ,5は飛ばしていきなりここに6に来るのが現実的。つまり、それだけ、3と4の重要性が高くなります。修正タイミングが少ないわけですから・・・だから情報設計って大事だよねという僕の主張に合致します。

さて、この本で重要なキーワードは、

・ユーザー中心の設計プロセスにはいろんな専門家が集まって作っていくこと
・コストや納期に合わせ、やるべき内容は都度変わる。

つまり実施はとても難しいということです。マニュアル的な解法ではなく、常にオンデマンドの対応が求められるということで、即断するために社内での権限なども必要でしょう。プロマネないしは、それに近い権限を持った人が厳しい制作、開発工程と調整しながら進める必要があります。

基本的にはユーザー中心の設計を行うために特別な時間は取れないというのが正直なところです。だからこそ社内のデザイナーとの連携はもちろんのこと、成果物や以降の工程に使う普通の設計プロセスが、そのままお客さんが評価ができるプロトタイプになるような手段が必要なんだろうなと。

IBMでそういうソフトウエア設計ツール出してくれませんかね。Visioの代わりにでも。Visioのプラグインでもよいですが。

ちなみに本書のような分野は、前から言ってるとおり本屋で探すのは大変なので、すぐほしいならアマゾンなどで注文するのをオススメします。ジュンク堂では、なぜか「人工知能」のコーナーにありました。なんだか意味不明ですが、情報デザイン系は本当に流浪の民のように扱われていますし、これよりも小さな本屋では合致する棚がなく売ってさえいないのではないでしょうか。

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