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藤川真一について


初代モバツイ開発者
想創社再創業 / KMD博士課程
著書〜100万人から教わったウェブサービスの極意―「モバツイ」開発1268日の知恵と視点 [Kindle版]
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March 27, 2004

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六本木ヒルズの森ビルの回転扉の事故は、本当に不幸な事故でした。そして、だんだん六本木ヒルズに、統一されたデザインを壊す注意のメッセージが増えていく。

適切なナビゲーション設計ができてないと、メッセージが増えたり、利用者にはさらにわかりにくい運用ルールが増えていくのは、D.A.ノーマンの「誰のためのデザイン?」で指摘済み。

上記本のリンクのアマゾンの書評でも象徴的だ。

~アマゾンの書評より引用~
「…私は引いて開けるドアを押してしまったり、押して開けるドアを引いてしまったり、横に滑って開くドアに正面から突っ込んでいってしまったりする…」
これは、本書の冒頭で語られる著者の失敗のひとつである。こうした失敗を、普通の人間なら単なる自分の「ついうっかり」として見逃してしまうところなのだが、著者は見逃さなかった。それは彼が認知科学者として数多くの産業事故の研究を行い、多くの事故が人間による操作ミスの一言でくくられてしまうことに疑問を持っていたからである。

~アマゾンの書評より引用~

人感センサーもスポットセンサーじゃダメでしたね。安全基準の厳しい製造業の会社だと、上から下までのセンサーをつけたりしますね。そのぐらいやっても、ここならバチがあたらないですね。トヨタ系の工場などに比べると、安全に関する認識が甘いような。
つまり人が取り返しのつかない怪我をしたり死ぬことを想定している人達と、動いて空調の効率運用だけを想定している人達は考えることが違うということ。

外気導入によって変動する空調もまた設計であるから、空調設計の矛盾が扉の作りに影響をもたらせた。ないしは不適切な扉のデザインが、空調と扉の制御にひずみをもたらせたと考えるのが自然である。

以前から、六本木ヒルズのユーザビリティの悪さを前から指摘していたが、見た目的な意味での「デザイン」を重視した結果、製品の安全性が軽視されたのが、この事故に繋がったのでは?と思わざるを得ない。デザイン=「設計」だから、「安全デザイン」は軽視されたのが、今回の事件に繋がったのでは?という想定をしている。

また、ドアを請け負ったメーカー側の最終的な言い分は、物理法則を超えられなかったのが原因だったというのが非常に原始的な言い分である。
あえて言おう。止まらないで人が死ぬなら「作るな」と。そういうのを設計ミスというのだ。

世の中の安全基準の問題ではない、回転扉というシステムでは、はさまれることが、ほぼ唯一のエラーであるが、発注主のニーズだけに対応し、物理法則に対応できない巨大な扉を制御しようというのは、根本的に間違いである。あくまで想定に過ぎないが。

こういうのって、ホントになんとかする術がないのかなぁと思うのは、おそらく間違いなくこのドアを設計するエンジニアは、これが危険だということはわかってるハズ。そのぐらいは設計段階で定量的に判断できるでしょう。何故ならブレーキの設計してるんだから。でも受託という関係から、この事実は隠蔽され、不完全な製品が世の中に出て行く(あくまで想像)

こういうとドアメーカーが悪いように見えるが、必ずしもそうではない。発注元と受注先の関係と、発注元の話の進め方、野望、受注先の力関係が、現実をそのようにさせていくのだ。ただのエンジニアの正義感や、技術的な正当性の主張などで済むレベルではなく、いわゆるオトナの世界の話であり、話は簡単ではない。(と言い切って、それに甘えたくないないからこそ、このエントリを書いてるわけだが)

あらゆる製造業もそうだしソフトウエアでも受託構造を取っているが、その上下関係から安全性の不備や本質的な問題点などが指摘しにくい状況になってしまうのも事実。「裸の王様」ができやすい構造にあるのが、受託の特徴である。六本木ヒルズは、現在の産業構造を象徴とした「裸の王様」なのかもしれないと、この事故で思うようになってきた。

~アマゾンの書評より引用~
新技術を使った道具についていけなかったり、すぐに使い方を忘れたり、間違えてしまったりするとき、私たちは使えない自分を責め、恥じ入ることが多い。しかし、その態度は間違いであり、原因は道具のデザインにある、と著者は主張する。
「デザイナーは、起こり得るエラーが実際に起こることを想定した上で、そのエラーが起こる確率と、エラーが起こった時の影響が最小になるようにデザインしなければならない…」

~アマゾンの書評より引用~

関連リンク
六本木ヒルズってどうよ?

こちらのサイトでは、ユーザビリティ設計的観点から今回の事故の問題点を指摘されております。
回転ドア事故は、設計が原因では?

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