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藤川真一について


初代モバツイ開発者
想創社再創業 / KMD博士課程
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November 03, 2007

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Adobe MAXというイベントに行ってきた。来年のプロダクトについてのプレゼンであったり、各種セミナーセッションの集合体となる二日間のイベントだ。

そんな貴重なイベントの中でワケあって、初日の基調講演と、二日目の特別講演だけしか聴講できずに、後は、いろんな知り合いと道すがら会って、情報交換をしながらの同窓会みたいなイベントだった。最新情報をのぞき見するイベント「Sneak Peak」に参加できずに、伝聞で聞いた限りの情報も多いが、そんな前提で感想を書いてみたいと思う。


■Flashという皮を被ったDirectorの復活

Flashの3D対応、動画対応、AIRによるデスクトップアプリへの進出

これらを見ているとMacromedia Directorを思い出す。

DirectorはCD-ROM世代のクリエイターにはなじみ深いが、Flash Playerと比べて高機能な分、ランタイムのインストールが重くて、以前のインターネットには向かずに、動作が軽いFlashにその場を奪われていった。

今のFlash環境は、PCの高機能化、動画の普及、ブロードバンドの元で、Directorが得意としていたことを内包するようになってきた。

Wikipediaによると、まだ、Directorはプロダクトとして続いていて後継も出るような話が書いてあるが、今後はWebではなくメタバースを志向したツールにでもなるのかな。


■AIR
AIRは、デザインのできない開発者には結構楽しそう。

確かに楽天の方がおっしゃっていたFlashを立ち上げて、白いキャンバスが出てくると何をしていいのかわからなかった、という話はそうなのかもしれない。

ただ逆にデスクトップアプリで何を実現するの?という部分で、「お便利ツール」ではない「面白いもの」というクリエイティビティを発揮する何かが、まだ思いついてないクリエイターは結構いるようだ。


■Adobeのサービス化

SaaS(Software as a Service)化の波はAdobeも例外ではない。

Photoshop online、PageMaker online?みたいなアプリケーションサービスはともかく、画像ホスティングみたいなところは、サービスをやっている会社にとってはコンペティターになる驚異も見えてきたな。

ActionScript3やFlexを使って作ったサービスやツールの会社がAdobeに買収され、Adobeブランドで何かを提供するという生態系が生まれているのが面白いなぁと思った。


■Thermo
新しいプロダクトコンセプトとして発表されていた、

ちょっと前にもニュースで出ていたThermoというプロダクト

ニュースを読んだだけではあまり意味がわからなかったが、要するにPhotoshopなどで作ったUIモックアップに直接、「ここはテキストフィールドね」とか、「ここは繰り返しのリスト要素ね」というのを指定すると、MXMLと、画像がオブジェクトのスキンとして動作するように書き出してくれるので、書き出されたものにFlexエンジニアがアクションスクリプトを埋め込むことで、Flex開発ができるようになる、Flexのオーサリングツールと解釈した。

「Flexオーサリングツール」と一言も言わないところは、とっつきやすさを演出するマーケティング施策と言ったところだろうか。

正直、XMLフォーマットを見ると拒否反応が出るタチで、MXMLも結構敬遠していたんだけど(単純に仕事で必要になってないという理由で)、ここはどんどん隠蔽かしていくべきでしょうね。

VBだって、.frmを直接編集することはないわけで、それと同じことが着々と、しかも高度な形で実現されていると言ったところか。


■Buzzwordというワープロツール

これ凄かった。見た目、普通のWORD

昔、エディタとカーソル制御を全部MovieClipで作ったことがあるので、それのパフォーマンスの差も含めて未来を感じた。
google docsを見たときには別になんとも思わなかったけど、これがgoogle docsみたいにコラボレートできたらスゴイと思う。

Adobeならフォントも含めてSaaSで提供することもできるだろう。(あーでも日本語フォントまで対応してくれるかなー??)

今、せっせとActionScriptでExcelを作ってるベンチャー企業もあるんだろうなぁ。(もうあるのかな。あろだろうね。)


■楽天の方の特別講演での発表。

ものすごく売れている「しょぼいお店のデザイン」を、MAXに来ているクリエイターの前で持ち出されていたのは良かった。

アーティスト作品ではないのに、”クールなデザイン”で、ボタンが小さくて、どこがクリックできるのかわからないコンテンツはまだまだあるし、

UIパーツが整ってきたとはいえ、まだまだ自分で無理矢理スクロールバーを実装して、でも機能が低いから、ドラッグエリアの外をクリックしてもスクロールがついてこないような劣化したUIを作り込んでしまう人はまだまだなくなったわけではない。

情報を伝える本質に、ビジュアルデザイン、エレガントな情報構造設計が、どれだけモノを売るという根源的なところに影響を与えるのか?というのは、まさに楽天で売れているショップを目の前にすると、全てが崩れ去る現実がある。

多くのクリエイターにとって、そういう現実をよく考えた上で、「素敵なUI」を作れるようになって欲しい。
そして、そこを考えてくれた人と一緒に仕事ができたら、もっともっと、いろんなことができるような気がする。

僕は昔からサーバサイド寄りのアクションスクリプトは書けても、インタラクション、ビジュアルデザインは他の人にお願いしてきた。誰かに依存しないと作れないという立場から、是非ともお願いしたいものだ。


■Flashの「幅」
僕が2000年のMacromediaのUConに初めて参加したころは、Flashと言えばアニメーター、デザイナーがほとんど。
Flash4でサーバと組み合わせて楽しいじゃん!という人は少なかった。

その後、Flash5,6,MX・・・と行くにつれて開発者が増えていき、ActionScript3を契機に「普通のプログラミング環境」になった。

低レイヤーの開発技術を持った開発者、企業システムの開発者、今は家庭用ゲームも手がける3Dクリエイターがいる時代だし、映像クリエイターも参加する時代。

あまりにもできるところが増えたFlashは、昔ながらの「Flashのすべてを知りたい」と思ってる人には、もはや大きすぎてついていけない世界だ。

だからこそ、自分が「一番ウリとなるところ」を見極めながら、3Dに手を出してみたり、映像やってみたりとしないと、自分の立ち位置を見失うぐらい世界が広くなった。

今回、そんなに沢山の人と話せたわけじゃないけど、Adobeプロダクトの幅の広さに圧倒されてる人が結構多かったようだ。

今回のイベントでは、幅の広くなったプロダクトをとりまとめてるAdobeってすげーなと思ったし、Studio MXの頃から叫ばれ始めた「ユーザエクスペリエンス」をクリエイティビティで実現するという一貫したメッセージは伝わったのではないだろうか?という印象だった。

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