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藤川真一について


初代モバツイ開発者
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February 24, 2006

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ナローキャストという言葉は、昔、放送大学をたまたま見ていて聞いた言葉だ。

インターネットの現状のストリーミング技術は、現状我々が使っているネットワークにおいては、その仕組み上、電波のように同時に大量の人に動画を配信することができない。Gyaoなどは大量のストリーミングサーバと、大量の帯域コストを確保することで、あれほどの会員数にストレスなき動画を流しているのであろう。(とはいえ映像は700kbps程度で、地デジはもちろんDVDにもほど遠い品質である。)

こういう大量配信には向いていない状況と、単体の配信コストが安くなった代わりに、決してメジャーコンテンツが配信されていない状況を評して、ナローキャストと表現していた。

これは、すごくうまい表現だと思った。

しかし、同時にやっぱりナローキャストってのは、結局、ニーズがあまりなくニッチってことか・・・と、その限界に落胆した。

時は代わり、Web2.0、ロングテールと呼ばれる時代になって、梅田望夫さんの「ウェブ進化論」を読んで、僕が気がついていなかったところがあまりにもスマートに書いてあった。(この本を当たり前のことしか書いてないというのあれば、それをビジネスで実践することを考えてみると良い。それはgoogleの中で、アイディアだけではダメだって言われてるのと同じ壁にぶつかる人の方が多いハズだ。)

僕が明確に意識ができていなかったのは、「淘汰」という言葉だった。

アマゾンで売っている本のデータベースのような大量の本の情報の中で、誰かがニッチな趣味の本をうまく見つけて、なにがしかの本が一冊売れる。それは確かにめでたいことであるが、真のロングテール時代の技術とは、ニッチな情報と、それを潜在的に求めているユーザーをいかに能動的にマッチングさせるか?というところであるということ。

大量の情報を低コストで送り届けるベースの上に、情報技術によって個々人向けに選別され、適切な情報が届けられる。

情報の淘汰の概念を持ち込むことで、ロングなテールが売り上げに結びつくような宝物を浮かびあがらせること。そんなところがポイントなんじゃないかと思った。

具体的な技術要件はこれらを実現するためのもの。

淘汰というと2ちゃんねるのage/sageを思い出す。僕はこの辺が2ちゃんねるの凄さであり、かつ2ちゃんねるとWeb2.0には似ている点があるなぁと思っていたのだが、やはりここに繋がるのか。

タグクラウドやgoogle mapsと言った視覚技術、インフォメーションアーキテクチャは、あくまでも一つの表現方法に過ぎない。大事なのは、その上だか下にビジネスの仕掛けを載せていくこと。ただ単純にタグクラウドを採用したからって、タグクラウドの並び順に思想を持った情報の選別や仕掛けがなければ何の意味もない(ユーザー主導は?いやいや、基本は如何に世界を作るかでしょう。ユーザー主導というのは、制約の中で生まれる生態系のことである)。Web2.0という時代の変化の中で、その言葉の定義や、技術を追うことに精一杯になって、そういう当たり前のことを忘れていたかもしれない。

これはちょうど、「情報大工のひとりごと」さんの久々のエントリー(笑)にも、僕にとってはジャストなタイミングの会心の一打としてアップされていた話にちょうどつながる。
データ中心という面からのWeb 2.0
Web 2.0時代ではデータがモノを言うのは確かなんですが、そのデータでビジネスができるかどうかこそ問題だという点にももっと注目が集まって欲しいところです。

・・・というかgoogleという世界の驚異を目の前にした我々にとって希望の意見です。(おそらく相当、熟考されたことでしょう。相当ブラッシュアップされた文章だと思いました。)

淘汰と言うのは、ちょっと前に「消す技術」というエントリーを書いて、淘汰の仕組みについて言及してみたが、ここでは技術ベースで考えてしまって発展がなかった。もっとメタレベルで考えるべきだった。

冒頭に書いたナローキャストという言葉。すごく大事にしたいと思った。これはまさにロングテールと同義ではないだろうか。
GyaoやYahoo!が指向しているのはブロードキャストであろう。それはそれで良いかもしれない。本当にオンデマンドの世界が来るなら彼らはテレビの代替手段になるのかも。(RSSと同じで、あることに安心しちゃって機会制限のないコンテンツがTVレベルの視聴率を稼ぐとは思えないけど。人間は怠惰だから。)

しかし、それとはまた違う、テールの尾っぽに動画やblogコンテンツが配置され、そこに誰かがアクセスしてくる。それを見るのは、たった10人かもしれない。でも、その10人の積み重ねがビジネスに繋がっていくことでその環境は守られ、同時にたった10人に見てもらえた人も幸せになれる。そんな価値観ってすごく楽しいんじゃないかな。

・・・・ちょっとgoogle教(梅田教?)の教えにやられちゃってるかもしれない(笑)

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