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藤川真一について


初代モバツイ開発者
想創社再創業 / KMD博士課程
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Movable Type

August 06, 2005

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最近、CMSの話を見ると微妙な気持ちになるんですが、自分はこう考えていますという話。
(とはいえ数千万もするCMSは触ったことないので、変なこと言っていたら突っ込んでいただけるとありがたい。)

1.「本来の」CMS:Intewoven、Fatwire、BroadVisionなど、数千万のシステムが代表例
コアテクノロジーは、「静的HTMLをいかに安全に配信するか?」

管理サーバと配信先のサーバが違うところにあったり、世界中に複数のWebサーバがあったりする環境で、トラブルがあったときにボタン一発で安全にロールバックするなどの高度なサイトリソースの管理システムがCMSのコア機能だと考えています。「コンテンツリソース配信管理システム」というのが真実で、タイマーつきデプロイメント機能がついた高度なバージョン管理システムではないでしょうか。

このコアテクノロジーの上に、HTMLをWebベースの管理画面から生成するテンプレートエンジンが実装されています。ビジネスモデルとしては、コンサルがビジネスプランを提案し、SIがシステム構築をし、Web制作会社がデザインテンプレートを制作し、お客さんが更新するという仕組みです。値段が高すぎるので基本的にはSIやらコンサルが売るものだと思います。

また、テンプレートエンジンというのは複数のデータ更新手段の一つであり、例えばWebサービス経由で天気予報を取得してHTMLを定期的に生成するなどと言ったバッチ処理のようなシステムもアリです。安全にファイルを配信するというシステムの上に実装される一機能という考え方ですから。

おそらくパーソナライズ等の機能は、さらにその上のレイヤーに存在し、「このシステムが知っているページを、どういうユーザーに表示するか?」という制御機能を実装しているものと考えています。

そういうレイヤーの積み重ねによって機能が高度になっているが故に、CMSという商品がわかりにくくなっているのは否めません。よくBroadVision=パーソナライズという言葉を聞きますが、それも短絡的な結論ではないのではないでしょうか?(この辺教えてもらえるとありがたいです)

本来のCMSが解決する問題とは、
・動的生成ページの負荷が無視できない規模のPVがあるサイトで、複数台のWebサーバが同時に動いているので手でコピーなんてありえない。
・かつ、HTMLを書かない人々の情報更新。
・かつ、更新フローとして承認機能などが必要なサイト。情報のミスがとてつもなくコストや社会的影響の大きいサイト。(といいつつ、人間のフローのミスは、見逃されるわけだが。)
・さらに部署ごとに編集権限を制御して、部署に編集権限を与えられるがデザインの統一感は保ちたいので制約をつけたい企業のサイト

です。また、テンプレート自体は、XSLのような仕組みで作られており、自由度は高いので、サイトの更新にCMSを使っているか否かというのを見分けることはできません。

いわゆるMovableTypeなどを指し示して言うCMSの特徴と全然イメージが違うのではないでしょうか?

2.blogシステムのような用途特化型CMS
上記のCMSが持っていたサイト更新性の部分をうまく引き抜いて、スタンドアロンのWeb管理ツールとして、blogというサイトアーキテクチャに特化して当てはめたのがMovableTypeだと思っています。

このセグメントが特徴としているのは、
・ある特定のフレームワークで機能を限定しているので、MT臭やXOOPS臭というのが少なからず存在する。
・Staticなページ生成自体にメリットはなく、実はPermalinkでさえあれば全然、問題がない。
・むしろインデックスの再構築が面倒であったり、サーバ負荷がかかるため動的生成を好む向きもある。
・承認フローを必要としない。
・魅力はblogを書くこと、trackbackなどのサイト間コミュニケーションの機能であって、その部分を除くと、CMSというキーワードと、そもそも多くのWeb制作会社がスクラッチで作っていた「サイト更新画面」との差異がない。
・機能、デザインの幅に制約があるが故に導入が簡単。

Movable Typeは、CMSというよりは、あくまでもblogというWebアプリケーションの更新ツールであり、Xoopsは、コミュニケーションポータル管理ツールなわけでして、どちらも個人的にはCMSではないと考えています。

CMSという言葉を使うのもアリですが、僕らが従来作っていた「サイト更新画面」とも同じかなと。

そもそもたいしたリソース管理、制御もしてくれませんしね。アップロードしたファイルの削除機能一つないシステムがCMSってのもどうなのかなと言うのが正直な感想で、MT管理画面のヘッダに書いてある、「Personal Publishing System」というのが真実だと思います。

世の中、マーケティング的にCMSという言葉を使ってますが、正直、混乱するので本当は言葉を分けたほうが良いとは思っています。

ちょっと前に、zopeとMTを比較した話題が出ていましたが、Zopeのような汎用CMSとMTを比較するのは上記の理由から違うかなと。もし、zopeが普及しないとしたら、それは汎用CMSというのが売れないのであって、その理由には、サイトイメージがわかないとか、構築までの工数がかかったり、データドリブンに最適化されすぎて能力的な敷居が高いとか、デザイン的に魅力のあるサイトを作れる制作業者が使わないとか、もろもろ、そういうことかなと思うわけで、もし売りたければ、そういうところをイメージできるプロのWeb業者が使いたいと思うようにするべきです。もっと柔らかくできると良いのに。

あくまで既知な情報ではありますが、値段のバカ高い「本来の」CMSと、MTのような「CMSのサブセット版のWebアプリ」の違いは理解しておくに越したことはないと思います。(雑誌で、CMS特集とか言うのを買ってみて、前者のCMSの話が載ってて、なんか意味わかんなくてガッカリしませんでした?)


参考サイト:
CMS vs. キャズム (MovableType vs. Zope)
CMS vs. キャズム (MovableType vs. Zope)

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