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March 13, 2008

おもてなしの経営学とパラダイス鎖国を献本していただいた。このエントリーはこの二冊のうち、僕のところに献本をしていただくきっかけになった、中島聡さんの「おもてなしの経営学」のレビュー、その1である。

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僕は、「なんとか世代」という表現をすると73世代である。76世代という言葉にスルーされたWeb1.0な世代だ。

そもそも大学卒業まで保守的なパソコン通信ネットの世界にハマっていて、インターネットに出遅れた。
新卒時にネット系企業を選択するという知見もビジョンもなく、ネットはお遊びの一つと考え製造業に電気制御のエンジニアとして就職した。

そこではエンジニアのなんたるか、みたいなところを学んだので就職は大成功だったが、だんだんネットの世界の存在感が大きくなってきて、なんだかよくわかってなさそうな奴が、大金せしめてるワケのわからない状況を見て、このままだと後悔するような気がしたのでネットの世界に転職した。

初めてSQL文とやらに触ったのは、もう27歳の頃である。歴史ある一部上場のグループ会社という安定した世界で、今考えれば給料も安くなく、何より年齢、立場を超えて尊敬できる人間関係にも恵まれていたので、そこを割って出て行くのは僕としては結構凄いことで、イチローが大リーグに挑戦するのを見て刺激された。

ただ、そもそも後発なので当たり前なのだが、ある日、ふと気がつくと会社の上司も含めて見る人聞く人、年下ばかりなのである。

年齢が高い低いでは仕事の内容についておいて何が変わるかってのは全然ないし、そもそも自分の上司が年下というのはもう慣れました。

ただし問題が一つあって年の取り方という部分でベンチマークすべき先輩というのが身近にあまりいない。

自分のキャリアパスという意味で、それこそ昔の年功序列のように参考にすべき安心した道はなく、それ以前に自分は、体力、気力、健康も含めて、現役でいられるのだろうか?なんてところもよくわからない。

健康でさえあればなんとかなると楽観視しているのだが、それ自体が、「けものみち」の一種なのかもしれない?!と、ネットの仕事と、今自分がいる位置づけは、もしかしたらホームレスに向かっているんじゃないか?という一抹の焦りも感じることがある。

そんな中で参考にしているのは、ネットで知り合う僕の年上の人=「オッサン」たちの動向だ。

この業界には僕がリスペクトしている「オッサン」が何人もいる。またリスペクトなんて書くと偽善ぽいとか言われてしまうが、そこはピュアにそう思っている。

身近なところでは、WebSigで一緒にモデレータをやっているDakinyさん。年を聞くと見た目によりも年齢が上だということを聞いたのだが、その年齢には全然見えない。

オッサンはロックをつらぬけば、年齢よりも若く見られるし、いつまでも現場で働けるんだと言うことを教えてくれた一人だ。(というか僕が勝手にそう思ってる)

一番大事なことは、いつまでもどんな年下の人とでも同じ場を共有できること。これが一番大事。普通に新卒の人と話をして、同じ目線で話をしていたい。

妙に浮かないようには、変にうがった見方をするように育ってはいけないし、常に新しいものを取り入れる姿勢で、がんばらなきゃいけない、ロックでなきゃいけない。

本書の著者である中島聡さんは、「ものすごいオッサン」だ。オッサンなんて失礼な書き方はだが、僕はそこに価値を感じているので、あえて使わせていただいている。

中島さんの何が凄いかってのは本書の古川享さんの対談を読んでみてもらえればわかるが、普通に僕らがさわっていた、あのWindowsの開発スタッフだったということ。

そもそも大学の頃にアスキーに出入りしてCANDYというCADを開発したということ。CANDYって名前は聞いたことあります。古川さんが語る、このCANDY開発の頃の話は圧巻です。

そして、そのまま卒業してNTTに就職。そしてNTTの体質があわなくて、マイクロソフトに転職されて、ウインドウズチームにいながらもインターネットエクスプローラーの開発に自分から首をつっこんで、OSとブラウザの統合・・・そうWindows98のアイディアを提案して、Windows98の開発へ・・・。

なんじゃそれ?という話ですね。もうエンジンが違いすぎます。

きっと20代のころは、ものすごい鼻っ柱の強いロックな青年だったんだろうなぁ・・・。だからこそ自分から道を切り開いていったんでしょうね。

この部分だけを抽出すると、矢沢永吉の「成りあがり」を読んでいるに近いものも感じられました。

とにかく大事なのは、成功された今もずっと現役で走り続けているということ。
本書を読んでいるとCANDYの成功の時点で、すでにかなりの資産を獲得されていたようだ。そこでの「あがり感」は微塵も見せずに新しい世界を切り開いている。

社長として会社を切り盛りする今でも、ユーザーインターフェースの専門家としてJavaScriptのライブラリを公開されたり、iPhone SDKをきっかけにObjective Cを勉強されたり。

僕もユーザーインターフェースはとても好きで、サーバサイドよりもフロントエンドの方が好きなので、中島さんのblogを読んで、一度は(自分のプライオリティ的に)諦めかけたObjective Cも勉強したいと思っています。

ていうか、C言語書きたい。本書を読んで、プリミティブなところにこだわりを持つおもしろさみたいなのを漠然と感じました。とてもベーシックな部分での知見の組み合わせが、イノベーションのきっかけになるんだなぁと。


さて、本エントリーでは本書のタイトルにある「おもてなし」の部分に一切触れなかった。これについては「パラダイス鎖国」と同時に書きたいと思っている。

先に結論を書いておくと、「おもてなしの経営学」と「パラダイス鎖国」は一緒に読むべきだ。

「パラダイス鎖国」を読んで、しょぼーんとしてる人が中にはいるようだが、そこの希望をプレイヤーの立場で補完できるのが「おもてなしの経営学」だと僕は考えた。そんなところがうまく書けるかわからないが次回のエントリーで書きたいと思っている。

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