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藤川真一について


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想創社再創業 / KMD博士課程
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July 10, 2012

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書籍「リーン・スタートアップ」に関するまとめエントリーである。本エントリーでは第2部で気になったところをピックアップしています。

本まとめページの趣旨説明はこちら

また、第1部はこちら


■第2部 舵取り

この部のテーマは、「構築」ー「計測」ー「学習」のフィードバックループに要するトータルの時間を細小にすることである。

第5章 始動
事業計画は仮説から始まる。仮説を前提に戦略をたて、ビジョンの実現に進んで行く。この仮説は正しいと証明されてないし、単なる思い込みであることも多いため、なるべく早期に仮説の検証を行う事がスタートアップ立ち上げ時の目標となる。

有名なアントレプレナーは、皆、適切なタイミングで適切な場所にいたから巨万の富を得たように見える。しかし、同じタイミングで同じ場所にいながらなぜか失敗したアントレプレナーが大勢いるものだ。

顧客を実際に確認して理解し、それをベースに戦略的な意思決定を行うことはとても重要だ。

最初に顧客と接するとき求めるのは、最終的な回答ではない。どういう人が見込み客なのか、また彼らがどういう問題を抱えているのかを大まかに理解するのが目的だ。

これさえ理解できれば、ターゲットとする顧客の人間性を記した文書という形で「顧客の原型」が作れる(ペルソナみたいなものかな?!)

「顧客の原型」を作るやり方は、デザインの世界に実績を持つ手法がある。これらは実験的、反復的なアプローチにも関わらず、デザインを外注に出した場合には、答えは一つにまとめられたものになる。スタートアップではこれではうまくいかない。現実世界で製品に命を吹き込む作業はあまりにも複雑で、それをすべて予想したデザインなど不可能だから。

これを解決する手法が、リーン・ユーザーエクスペリエンス(UX)である。この手法では、「顧客の原型」を事実ではなく仮説と考え、仮説と検証による学びのプロセスで確認(必要があれば変更(ピボット))していく。

アントレプレナーの戦略に問題があるのは、たいがい、基礎にした原理がよくないからではなく、基礎にした事実がまちがっているからだ。残念ながらホワイトボードでこのようなミスに気がつく事はない。

第6章 構築・検証
グルーポンは、実用最小限の製品として、ワードプレスでグルーポンというブログを作った。応募フォームすらないシンプルな方法で、コンセプトの実証を行った。

(以下、えふしんオリジナル文章)
・・・この章はリーンスタートアップのプロセスを使った製品開発のネガティブな疑問を解決する章かもしれない。リーンスタートアップを否定する話として「アプリではAppStoreにレビューが残ったり、初心者ユーザがアクセスするためリーンスタートアップは使えない」、という言説があるが、そもそも本書では、アーリーアダプターで検証すべし、ということを一つの前提としている上に、動画による検証や、人力による仮説検証の話が載っていて、いささかレイヤーが違うことが特徴的である。決してβ版のアプリをリリースすることがリーン・スタートアップの手法ではない、ということがわかるだろう。リーン・スタートアップはプログラムの開発手法ではなく、製品開発の手法なので、必ずしもソースコードに依存していない。

思うにアプリにおいては「未熟なアプリ」をリリースするのではなく、「足りないアプリ」をリリースすると考えるのが良いのではないだろうか。
(えふしんオリジナル文章ここまで)

必要最小限の製品を作るにあたって一番多い拒否反応が、競合相手にアイディアを盗まれるかもしれないという不安である。しかしだいたいスタートアップの場合、自分のアイディアや会社、製品を競合他社どころか誰でも良いから知ってもらうのが難しいのだ。この点を恐れるアントレプレナーに対しては、「自分のアイディアを一つ、大企業のプロダクトマネージャーに盗ませる」という課題を与える。どの企業のマネージャーもすばらしいアイディアなら腐るほど持っているのが現実だ。彼らの課題はそのアイディアに優先順位をつけて実行することである。

アイディアを知られたら他社の方がうまく実行できるのであれば、いずれにせよそのスタートアップに生き残れるチャンスはない。成功するスタートアップは、遅かれ早かれ急追してくる他社との競争に直面する。追いつかれない程先行できることはほとんどないし、ステルスモードですごしている間は、おそらく先行スタートできない。勝ちたければほかよりも早いスピードで「学ぶ」しか道はない。

この章は他にも良いことが書いてあるが、長くなるので割愛する。是非、本書を読んでみてください。

第7章 計測
スタートアップは、
(1)現状を的確に計測し、評価で明らかになった厳しい現実を直視する
(2)事業計画に記された理想のに現実の数字を近づける方法が学べる実験を考案する。

会計は重要だが、一般的な管理会計ではアントレプレナーをうまく評価できない。スタートアップは不確実性が高すぎて、精度のよい予測や目標が得られない。破壊的イノベーションに適した「革新会計」が必要である。

既存メーカーの事業計画であれば、販売で得た利益をマーケティングと販売促進に再投資し、新しい顧客を獲得するが、ネットワーク効果が重要な役割を果たすネットビジネスの場合は、新たに流入するユーザーの定着率からネットワーク効果の強さを計測することが大事である。

(以下、えふしんオリジナル文章)
この章にある「製品を1日5ドルで改善していく」というのは非常に興味深い。1日5ドルを用意して、グーグルアドワーズに投入する。得るものは顧客そのものというよりは、仮説検証の対象として、得られる学びに一日5ドルを投資する、という考え方だ。

製品を変更し、新しい機能や使い勝手のヘルプやレイアウト変更等を検証するためのテストとして、アドワーズから得られる顧客に利用してもらう。その後の顧客の利用頻度を計測していくことで、登録期間毎の差異として比較し、何の施策に効果があったか、そうでないかを学ぶ事ができる。

アドワーズに限らず、アプリのリワード等で獲得したユーザーにも使える方法だろう。

また、本章では、トヨタのカンバン方式を利用した構築ー検証の管理などについて解説されている。

アジャイル開発の問題点として、ビジネスレイヤーから見た時に、そのプロセスは本当に効果があるのか?開発が楽をしたいだけの方式じゃないのか?という根源的な不安の声を聞くことがある。

そうではなく、仮説検証のサイクルまで含めた開発プロセスとして計画すれば、ビジネスと直結したサイクルを描く事ができる。

また、本書ではたびたび「虚栄の評価基準」という言葉が出てくる。つまり因果関係がはっきりしていないのに、関係ない数字を持ち出して正当化してしまうことを言う。これは数字が向上している場合のことで、もし数字が下がってしまうと、自分たち以外の誰かのせいにし始める。

これらの問題を解消するために、正しく因果関係が認められる数字を計測する評価基準を設定する事が重要。また、計測結果の数字はわかりやすくなければならない。意思決定をするマネージャや社員に理解できるものであってはいけないし、幅広くスタッフが参照できるものでなくてはならない。「わかりやすさ」は全体の数字のが大きくなればなるほど重要になる
(スタッフの関心をどう持たせるか?!というのはものすごく大事かもしれないね。)

この章は、開発マネジメントをする人には十分読み応えのある章だろう。
(えふしんオリジナル文章ここまで)


第8章 方向転換(あるいは辛抱)
大当たりの製品を開発したいと思うアントレプレナーは、いつの日か、とても大きな課題に対処しなくければならないときがくる。いつ方向転換し、いつ辛抱するか、である。市場からのフィードバックをもとに方向転換を決められない企業は、ゾンビの世界にとらわれてしまう。死にはしないが十分な成長もできず、ただ関係者のやる気やさまざまな資源を食いつぶす。

(以下、えふしんオリジナル文章)
この章に紹介されている3つのピボットの事例はとてもエキサイティングだ。@2govというソーシャルロビー活動を支援するプラットフォームと、ピボットで話題になったPath、オンライン投資アドバイスを行うwealthfrontの事例は、とても参考になる。ニーズの創造、ビジネスモデルを実現するために数回のピボットを行った例は、ピボットをバズワードとして受け止めるものではない、ということがわかるだろう。ピボットについては、日本の事例ではピボットして成功したグリーと、ソーシャルグラフの再構築というピボットが現時点ではうまくできてないミクシィのことを思い浮かべながら読んでいた。
(えふしんオリジナル文章ここまで)

以降、次のページに続きます。

■第3部 スピードアップ
第9章 バッチサイズ
第10章 成長
第11章 順応
第12章 イノベーション
第13章 エピローグー無駄にするな
第14章 活動に参加しよう


かなり端折っております。詳しくは本書を読みましょう。
もし購入されてない場合は、こちらからどうぞ

以降、次のページに続きます。

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